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『ラプンツェル あたらしい冒険』見たけど

ラプンツェルの新TVシリーズに先立つ長編、絵的には好みの2Dで大変良かったのですが、ドラマ面では自分的にはかなりしんどい作りで、どうにももやっとしたので書きとめておきます。


要は、自分が個人的に「自由と外の世界に憧れる少女が肯定されるネタ」に少々お腹いっぱいになってるところがある訳で。
その少女の感情が色んな視点から公平に描かれるならいいけど、本作では少女視点だけだったから。
メリダの時にも思ったけど、昔の時代を舞台とした物語に、フェミニズムな女性を持ち込むと、どうしてもフェアじゃなくなってしまうなあ。
いや、例え現代が舞台だとしても、自由には責任や危険と言う代償が伴うので、ただ肯定されるのはフェアじゃない。(否定するのは父親だけで、その父親がかませ犬扱いでは)

また、映画だと「こう言う育ち故にこう言う感情を持つに至る」が誇張を交えつつバランスよく描かれてたけど、本作のラプの心の動きは、彼女の生い立ちを考えるとどうにも不自然に思えてしまって。
ラプだったら、城の生活が合わないのはもちろんだけど、もっと好奇心と、引きこもると安心する染み付いた感覚が拮抗するはずでしょ。

ユージーンが余り考えなしなのも辛かったし、今の生活に満足してるのも違和感だったなあ。
ユージーンの育ちから行くと、むしろ彼の方が疑い深すぎるくらいの思慮深さがあるだろうし、愛を無邪気に信じられないだろうし、城の生活も性に合わないでしょ。
結局ここでも、ラプの視点しか描かれてない。

例えば、こう言う描写だったら--
ユージーンは城の生活に馴染めないけど、ラプを思いやって我慢してる。
ラプも実は馴染めないけど、ユージーンが表面上幸せそうにしてるので、我慢してる。
で、少し行き違いがあった末「あ、どっちも同じこと考えてたのかー(笑)」なんてなれば、結構自分好みのドラマなんだけど。
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でなくとも、髪が伸びてカサンドラに「誰にも言わないで」て言われたとき、ラプには「ユージーンなら大丈夫」くらい言って欲しかった。
男の役割が殺陣でちょっと活躍するだけじゃね。
レディ・ケーンと知り合いらしかったのに、それが生かされずずっと後ろに引っ込んでたのも寂しい。

で、お父さんの王様の扱いがね・・・。
あの人映画では少ないシーンですごい感情移入できたのに。
そりゃ娘の気持ちなんてそうそう解らないだろうし、解っても満点の答えは出せないだろうけど、ここまでの話の流れから行ってリアルじゃないんだよな。王様のキャラが映画と違うし。
映画のストーリーの流れから行けば、お父さんは娘をがっちり箱入りにするでしょ。いや、閉じ込めてはいるんだけど、そもそも行事とかには出さないようにするし、気を使って甘やかした閉じ込め方になるでしょ。
でもって、お母さんは対照的に理解者と言うのが。
理解者だとしても、終盤の展開はさすがに無理ありすぎでしょ。
王女である娘が最前線で戦って、王様は引っ込んで、王妃様が王様を止めるなんて(そもそもコロナの衛兵が弱すぎるのが問題なんだが・・・)
お父さんは分からず屋の保守派、お母さんは進歩的な理解者と言う色分けは苦しい(オマケ程度にお父さんの難しさも描いてはいるんだけど・・・)

まあ、少女向け娯楽作品なんだからいいじゃんとか、こう言う作品でリアルさをどこまで入れるかと言う難しさは解る。
ただ、たびたび言ってるけど、自分は娯楽作品としての大嘘は大いに奨励するけど、人間の心の動き--、「こう言うときにこう言う人はこう言う物言いと行動をする」と言うところで嘘をついて欲しくない。
それに、ここは物語のテーマに関わる部分だから。
つまり、この作品を見た限り、女性が前面に出て活躍するためには、あり得ない事が起こって周囲の人間があり得ないほど頼りなく、周囲の人間があり得ない行動を取らないと成立しないと言う事になってしまう。
だとしたら、そんな空々しい嘘の上に立つ形でテーマを語るべきなんだろうかと思ってしまう訳です。
子供向けなら尚の事。周囲の大人が頼りになっても、主人公に至らない部分があって周囲に助けられてもいいじゃない。子供が行ってはいけない危険な場所があるって教えても(むしろ教えた方が)いいじゃない。

しかし、よくよく考えるほど、映画のラプンツェルと違うなあ。
映画版のラプは世間知らずだがピュアなのがほっとけない魅力で、周囲の人間の忘れてた夢を呼び起こす魅力があったのに、それを今時のステレオタイプなヒロインに当てはめてしまった。
ここは別物と割り切るしかないか・・・。
しかし、映画を見て、忘れて久しいピュアな感情を呼び起こされた自分としては少々辛い。

ところで、城壁の存在について。
欧米では(と言うか大陸国家では)城壁の外は、手付かずの野生と、異民族の世界。
日本と違って壁の外に対する恐怖感と戒めが染み付いてると思ってたら、そうでもないのか。
むしろ、壁=昔の因習の象徴として、日本以上に反撥する感覚があるのだろうか。



以上、もやっとしたとこだけ述べたので、こんな記事になってしまったけど、この新作は絵的には好きだし、ファンタジー冒険物としても期待できそうです。
TVシリーズが始まったらフェミニズム方面のテーマに関しては、あくまで根底に横たえるだけの、ソフィティスケートされた作りになる気がしますし。
自分もTVシリーズ見る時は、できるだけ上記のようなところは気にせず、娯楽作品として楽しむよう勤めると思います。
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